新パック【超克の光】初期に流行った水エネルギーのみのリーフィアセレビィデッキ。本来草タイプポケモンであるはずの「リーフィアex」「セレビィex」を水エネルギーで運用するという発想は非常に面白い。だが実用面ではどうだろうか?そこで今回水エネリーフィアデッキを徹底解剖し、通常の草エネリーフィアデッキとのメリット、デメリットを比較していきたいと思う。
水エネリーフィアデッキとは?
まずは主役となるポケモンたちをみていこう。
・リーフィアex


虹枠リーフィアほ、ほしぃ~~!!
、、、コホン
それはおいといて、「リーフィアex」は新パック【超克の光】で登場したイーブイから進化可能な1進化ポケモンで、目を引くのはなんといってもその特性「もりのいぶき」にあるだろう。
このポケモンがバトル場にいるなら草タイプポケモンに草エネルギーを1個つけることができるのだ!
ポケポケというゲームは基本的に1ターンに1個しかエネルギーを乗せることができないわけだが、この特性を使えば1ターンに2個エネルギーをつけることが可能になる、ルールを歪める効果が弱いわけがないだろう。
加えてこのポケモンの面白い点がもうひとつある。そう、すでに何度か書いているが特性としてエネルギーを付けられる点だ。

実は似たような草エネルギーを加速させることができるポケモンはすでに存在している。それがこの「ドレディア」だ。
しかし「リーフィアex」との最大の違いはワザを繰り出す必要があるということ。
つまり事前にワザを出すためのエネルギーをつけていなければならない。
そしてこのポケモンがワザを繰り出すために必要なエネルギーは草エネルギーが2つ、草エネルギーは必須ということだ。
だが特性として草エネルギーをつけられる「リーフィアex」は草エネルギーで固定化させる必要がない。
だから水エネルギーのみで闘う【水エネリーフィア】という発想が生まれたわけだ。いや~面白い!!
また「リーフィアex」は自身にもエネルギーをつけることができる。ワザに必要なエネルギーが草エネルギー1個とあとは無色でいいという点もかみ合っている。
とはいえ「リーフィアex」のみでは火力不足であろう。
「リーフィアex」の相方もといフィニッシャーが必要になる。

そこで選ばれるのがこのカード「セレビィex」。
もはや説明不要だと思うが、このポケモンに乗っているエネルギーの数だけコインを投げ、表の数×50ダメージを与えることができる、まさに「リーフィアex」のエネルギー加速にうってつけのポケモンだ。
加えてこのポケモンもワザに指定されているのは草エネルギー1個のみ。
草エネルギーを1個つけさえすればあとは何エネルギーでも構わないのだ!
さて、これらの理由から草ポケモンでありながら草エネルギーが不要なデッキが組めることがわかった。
しかしなぜ水エネルギーなのか?他のエネルギーではダメなのか?という疑問がでてくる。
そこで次項では水エネルギーのみにするメリットをみていこう。
水エネルギーのみにするメリット
、とそこを述べる前にまず一般的な水エネリーフィアデッキを載せようと思う。おそらくその方が手っ取り早い。

種ポケモンは「セレビィex」1枚と「イーブイ」2枚の合計3枚のみ。この構成は全環境で覇権を取った【ナッシーセレビィ】デッキを彷彿とさせる。

一般的なナッシーセレビィデッキ。一番大きな違いは「イーブイ」「リーフィアex」の枠が「タマタマ」「ナッシーex」に置き換わっているぐらい。
しかしもうひとつ大きな違いがある。気づいている方も多いと思うが「カイ」である。


新パック【超克の光】で最も強いと言っても過言ではないカード「カイ」。水エネルギーがついているポケモン全員のHPを40回復してくれる。
もうおわかりだろう。このカードの存在が水エネルギーにする際に受けられる最大のメリットになるというわけだ。
また草タイプには元々「エリカ」という専用サポートカードがある。


こちらは草タイプポケモンを50回復してくれるというもの。現状のカードプールで草ポケモンを使うデッキにはまず採用されるほど強力なカードだ。
水エネルギーにすることで「エリカ」と「カイ」両方の回復サポートカードを積み、耐久しながら「セレビィex」を育てるという徹底的な意志を感じる。
ここまでで水エネルギーのみにするメリットはおわかりいただけたと思う。
しかし逆に水エネルギーのみにするデメリットはないのだろうか?
次項で詳しくみていこう。
水エネルギーのみにするデメリット
私は大きく2つあると思っている。
まずひとつめだが、「リーフィアex」が引けていないと「セレビィex」が一生殴れないという点。
前述したように草エネルギーをつける手段は「リーフィアex」の特性だけだからだ。
だから例えば「セレビィex」がスタートポケモンになり、エネルギーをつけてそのまま殴りたいと思ってもそれができない。
もちろん種ポケモンを少なくしたり、「ポケモン通信」を入れるなどデッキ構築の段階で「リーフィアex」を引き込みやすく工夫されているが、それでも事故は起こりうる。
そんなとき「セレビィex」がワザを出せるか出せないかは思った以上に響いてくるはず。

本来ならワザを出せている場面だが水エネルギーしかないためこのまま番を終えるしかない。
次に2つ目。
これは水エネルギーのみにするデメリットとは厳密には違うのだが、「カイ」を入れることで失うものはないのか?ということ。
元々「カイ」を2枚入れる枠には別のカードが入っていたはず。
大抵の場合それは「ナツメ」だ。


もちろん使う人によって多少の違いはあると思うが「ナツメ」の枠が「カイ」に置き換わっているリストが多いように感じる。
ならば「ナツメ」を抜いてまで「カイ」を採用するだけのメリットがあるのか、水エネリーフィアを組む上でこの問いは避けては通れないだろう。
これに関しては好みの問題もあるだろう、また環境によって変動する要素にもなりうる。
それを断ったうえで私個人の見解を先に述べたいと思う。
私個人としては水エネのみにして「カイ」を採用するよりも、通常の草エネルギーで「ナツメ」を採用する方がメリットが大きいと感じている。
その理由は次項で述べよう。
水エネ型より草エネ型の方がメリットが大きいと感じる理由
私はデッキ構築の観点から個人的に意識していることがある。
それは「役割被りのカードを極力入れない」ということだ。
今回の例もそれが当てはまる。「エリカ」と「カイ」がそれだ。


どちらも美しいッ!!、、、じゃなかった
どちらも回復サポートカードなのだ。
ここでまず考えてほしいのが回復カードの強いところ。
その最大の強みとして確定数をずらすことが挙げられる。


本来ならばあと1度の攻撃で倒されそうなところを回復カードで延命する。ポケポケはこの1ターンがとても大きいゲーム。
だが逆に言えば確定数が変わらなければいくら回復しても意味がないとも言えるのだ。
例えば一撃で倒される場合。

リザードンexの攻撃を耐えられるポケモンは現状ほぼ存在していない。
「リザードンex」は極端かもしれないが、「大きなマント」込みの「セレビィex」(HP150)を一撃で気絶させられるポケモンは多数存在する。



この場合大量に入れた回復カードが手札で腐り続け、むしろ邪魔になるということになりかねない。
さらに言えばサポートカードにはある制約が課せられている。
それがこちら。

そう、サポートカードは同一ターンに一度しか使えない。
つまり例えば1度の番に「エリカ」と「カイ」を使用して合計90回復するといった使い方はできないわけだ。
だからどんなに回復サポートカードを入れたとしても1ターンの最大回復量は「エリカ」、「きずぐすり」2枚、それに「大きなマント」で110止まり。
「大きなマント」込みの「セレビィex」で100ダメージ程度であれば、次のターン回復が間に合い確定数をずらすことができるかもしれないが、120ダメージ以上を食らうと次のターンの気絶は免れない。
以上のことから「エリカ」と「カイ」という役割の似通ったカードを両採用するよりも「ナツメ」を入れて対応力を上げた方がいいと考える。
水エネリーフィアデッキは「カイ」を入れる代わりになにか別のカード(ナツメ)を犠牲にしている。ベンチポケモンに触る手段がない(もしくは乏しい)ことが予想でき、戦略を組み立てやすい。
草エネ型リーフィアセレビィデッキ
ということで私が現在使用している草エネ型リーフィアセレビィデッキを紹介しようと思う。

水エネ型との一番の違いは先述したように「カイ」の枠が「ナツメ」に置き換わっていること。
「ナツメ」は相手のテンポを削いだり、厄介なポケモンを先に削ったりと腐る場面が少ない非常に優秀なカード。
【時空の激闘】で登場した「アカギ」によって若干評価が落ちた気がしたが、再び評価されたという感じ。
少なくとも私は基本的にナツメ > アカギと評価している。
もちろんこれはデッキによって変わってくるということは付け加えておく。
あと珍しいところでいうと「グリーン」を採用している点ではないだろうか?


このカード、ベンチポケモンにも適用されるという強みこそあれど、基本的には「大きなマント」の下位互換のような存在になっている。
しかしこのデッキのように「大きなマント」「きずぐすり」をフル投入してなお耐久力を高めたい場合に採用を検討できる。
回復カードとの決定的な違いは体力が満タンの状態でその体力分のダメージを受けそうな場合に一発耐えられるという点にある。
「大きなマント」込みの「セレビィex」が「パルキアex」のワザ「ディメンションストーム」を耐えたり、「リーフィアex」が「サカキ」込みの「アルセウスex」のワザを耐えたりといった使い方を想定しての採用だ。
もちろん回復カードのように間にはさんで確定数をずらすという使い方もできる。
めちゃくちゃ強いとは言わないが、ここぞと言うときに活躍してくれるはず。
まとめ
いかがだっただろうか。
水エネリーフィアは発想こそ非常に面白く、新たな動きを提示してくれたものの、少なくとも現状のカードプールで組むほどのメリットは薄いと個人的には感じている。
しかし今後追加されるカード次第では、水エネでなくとも他のエネルギーで組むリーフィアデッキが表れてもおかしくない。
そんな可能性の残された考察しがいのあるデッキだった。
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